ALS嘱託殺人について
今、たまにニュースでやっている
ALS嘱託殺人について書きたいと思います。
難しい問題なのですが、
ALS 筋萎縮性側索硬化症 という難病です。
私もALSの患者さん2人か3人看取りました。
もう随分前のことです。
ALSって、最後の最後まで頭はしっかりしているので、
体が動かなくなると、とても精神的苦痛を感じると思います。
とくに今回の殺害された方は、元気な時は海外に行くような
活発な方だと認識しています。
そういう人がある日突然ALSを発症して、
だんだんとできないことが多くなって、
介護人および看護師に頼らざるを得なくなってきます。
自分でなんでもできていたのに・・・・
そういうジレンマ? というか、そんな簡単な言葉では表せない
かもしれませんが・・・・・
屈辱に近いものだと思います。
以前、私が看ていたALSの患者さんは
当時50台前後の女性でした。
まだかろうじて話ができる時は
簡単な英語で話してきました。
ナースコールがなると、
こだわりが強くて、30分以上は拘束される。
枕の位置一つにしても、なんども、そうじゃないと言われ
それだけに時間を費やし、全く仕事が進まない状態だったのです。
そして、英語で話すのも私たちは少しうるさい患者さんだと
思っていたので「帰国子女か?」とか言ってましたが、
彼女の書いてくれた手紙にはこう書かれてありました。
「いつも、親切にお世話をしてくれて感謝してます。
言葉も話づらく、英語のYES,NOしか話やすいのです(中略)』
ああ、そうだったのか、何も彼女のことをわかってあげれず
反省でした。
日が過ぎるにつれ、彼女の筋肉は衰え手足も全く動かせず
ポータブルトイレに行けていたのに、オムツをするようになりました。
その後、病気の進行につき、人工呼吸器をつけることになる。
その人工呼吸器は、顔面をマスクのようなもので覆うもので、
何時間日ごとに水滴をとってあげないと、
彼女の顔にかかるし、視界も全く遮られる。
そんな中、水滴を取るのにマスクをしばらく外し
水滴を拭き取り元に戻す時、かすかに彼女は眼球を動かし、
ありがとうと言っているような感じでした。
相当、辛かったと思います。
そして、彼女は一生独身を貫き、
身寄りがなく、亡くなったら
病院から直行で火葬場に行くことになってました。
彼女が、亡くなった時、たまたま私が日勤でフリー業務をしていて、
私と私の後輩とで、最後に体を拭いたり死に化粧をする
いわゆるエンゼルケアをしました。
エンゼルケアを済ませ、
後輩と私は、「このまま、直行で火葬場か〜」と、
なんだかやりきれない気持ちでしたが、
ギリギリのところで友人が来てくれました。
よかったなー、友達来てくれて。
あのまま、火葬場直行はあまりに寂し過ぎる。
今回のALS嘱託殺人で、
数年前に亡くなった彼女のことを思い出しました。
殺害された方は、亡くなって本望だったのか?
それは、本人にしかわからないことですね。
ちょっと難しい記事ですみません。
いつも見てくださりありがとうございます。

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